重要な経済指標を抑えれば精度の高いトレードや売買判断ができる

重要な経済指標は相場への影響力が大きいため、発表前後に価格が激しく値動きすることが少なくありません。

とはいえ、

「経済指標がたくさんありすぎて重要なものがわからない」
「経済指標発表のときって狙っていいのか?」

など、多くの疑問を持っている人もたくさんいることでしょう。

そこで今回は、重要な経済指標や要人発言、経済指標発表時のトレード方法などについて紹介しています。

この記事を読むことで、重要経済指標を把握でき、より精度の高い相場分析やトレードができるようになりますので参考にしてください。

経済指標とは?

経済指標とは各国の公的機関が発表する経済に関する統計のことです。

物価や景気、貿易、雇用、金利などの経済状況を数値化したもので、現在の状況や過去との比較を正確に把握できます。

各国の経済動向を見るための大切なパロメーターであり、相場分析においても重要です。

現在のその国の状況を表すデータになるため、ファンダメンタルズ分析をおこなう際に重要視されています。

  • 政策金利
  • GDP
  • 物価上昇率
  • 景況感
  • 消費動向

など、多くの経済指標があり、指標によって相場へ与える影響力が異なります。

影響力が大きい指標によるファンダメンタルズ分析と、テクニカル分析を合わせることで精度の高い相場分析が可能です。

主な重要経済指標

非常に多くの経済指標があり、すべてをチェックすることは難しいですし、効率的とは言えません。

また、指標によって注目度が異なり、相場への影響度合いも違います。

そのため、まずは相場への影響力が大きい重要経済指標について押えておきましょう。

これらの重要経済指標を知っていることで、相場分析や売買判断がしやすくなります。

米雇用統計

米雇用統計は、毎月第1金曜日日本時間21時30分(夏時間。冬時間は22時30分)に発表される非常に重要な経済指標です。

アメリカの経済状況を示す指標ではありますが、世界1位の経済大国ということもあり、指標結果は他の為替相場にも大きな影響を与えます。

米雇用統計は、米労働省労働統計局(BLS)が、アメリカの雇用状況を調査したもので、以下の指標をまとめた総称です。

  • 非農業部門雇用者数
  • 失業率
  • 建設業就業者数
  • 製造業就業者数
  • 金融機関就業者数
  • 小売業就業者数
  • 週労働時間
  • 平均時給

など、いくつもの指標がありますが、最も重要視されるのは非農業部門雇用者数と失業率の2つです。

これらの結果次第では、為替相場が大きく変動します。

非農業部門雇用者数と失業率の詳細は次のとおりです。

非農業部門雇用者数

雇用統計で最重要視される非農業部門雇用者数は、農業部門以外で働く雇用者数のことです。

調査の対象となる事業所は40万社(従業員約4,700万人)であり、アメリカ全土の約3分の1を網羅しています。

給与の支払い帳簿を基に集計していて、数値が高いほど雇用者数が多く景気が良いと判断される指標です。

非農業部門雇用者数には、農業従事者と自営業は含まれません。

アメリカ経済が現状を維持するには毎月+10万人、成長するには毎月+15万人〜20万人が必要だと言われています。

失業率

失業率は、アメリカの労働人口における失業者の割合を示した指標です。

失業者÷労働力人口×100で算出され、約6万世帯が調査対象となっています。

数値が大きいほど失業者が多く景気が悪い状況を表し、数値が小さいほど失業者数が少なく景気が良いということです。

雇用統計を確認する際は、特に非農業部門雇用者数と失業率をチェックするようにしましょう。

これらの指標結果次第で、米ドル/円相場が1円〜2円以上動くこともあります。

FOMC政策金利発表

FOMC政策金利発表も非常に注目される経済指標です。

年8回、原則6週間ごとの火曜日もしくは火~水曜日、日本時間午前3時(夏時間。冬時間は午前4時)に発表されます。

FOMC(Federal Open Market Committee)は、連邦公開市場委員会のことです。

連邦公開市場委員会とは、連邦準備制度理事会(FRB:Federal Reserve Banks、中央銀行にあたる)が、開く金融政策を決定する会合のことをいいます。

連邦準備制度理事会は7名の理事とニューヨーク連銀総裁、地区連銀総裁4名の12名が投票権を持ち、年8回+必要に応じて開催されるものです。

会合後に政策金利や経済成長率、物価などの発表がおこなわれ、基本的に景気が良いと金利を引き上げ、景気が悪いと引き下げられます。

相場に大きな影響を与える重要な指標です。

GDP

主要国のGDPも非常に重要な指標です。

GDP(Gross Domestic Product)は国内総生産のことで、一定期間内(四半期または1年)に国内で生み出された財やサービスの付加価値の総額を表します。

GDPの数値が大きいほど景気が良いことを表し、数値が小さいほど景気が後退しているということです。

たとえば、アメリカの場合、以下のように速報値・改定値・確定値が1ヶ月おきに発表されます。

第1四半期(1月〜3月) 速報値4月 改定値5月 確定値6月
第2四半期(4月〜6月) 速報値7月 改定値8月 確定値9月
第3四半期(7月〜9月) 速報値10月 改定値11月 確定値12月
第4四半期(10月〜12月) 速報値1月 改定値2月 確定値3月

これらはすべて毎月下旬に発表され、特に注目を集め相場への影響が大きいのは速報値です。

アメリカのGDPの主要項目には次のものがあります。

  • 実質GDP
  • 名目GDP
  • 個人消費支出
  • 設備投資
  • 住宅投資
  • 在庫投資
  • 政府支出

なかでも、多くの割合を占める個人消費支出が注目です。

世界1位の経済大国で、世界全体の2割程度のGDPを占めるアメリカのGDPは非常に影響が大きいため、毎回チェックをするようにしましょう。

欧州中央銀行政策金利発表

欧州中央銀行(ECB:European Central Bank)は、ユーロ圏の金融の最高意思決定機関で、理事会によって政策金利が決定されます。

理事会は、総裁、副総裁、4名の常任理事に加え、ユーロ導入国の中央銀行総裁で構成されており、金融政策に関する会合の開催は6週間ごとです。

景気が良いと金利が引き上げ、景気が悪いと引き下げられることが多く、ユーロは世界的にも影響力が大きいため発表次第では相場が大きく変動します。

毎月第1木曜日の日本時間20時45分(夏時間。冬時間は21時45分)に発表される注目の指標です。

消費者物価指数

消費者物価指数(CPI:Consumer Price Index)は、各国で毎月発表される重要経済指標のことです。

消費者が購入する商品・サービスの価格変化を調査したもので、前月・前年と比較して物価がどれくらい変動したかを表すためインフレやデフレの傾向を見る際にも用いられます。

国によって消費者物価指数の発表時間は異なり、アメリカであれば日本時間21時30分(夏時間。冬時間は22時30分)です。

ADP雇用統計

ADP雇用統計も重要な経済指標の1つです。

ADP雇用統計は、アメリカの民間会社Automatic Data Processing社がおこなう、非農業部門雇用者数の予測で2006年から公表が開始されました。

調査対象である約50万社(約2,400万人)のデータを基にして算出し、雇用統計が発表される2営業日前に発表される指数です。

数値が大きいほど景気が良い状態、小さければ景気が悪い状態を表します。

ただし、ADP雇用統計は、最重要経済指標である雇用統計の結果と同じような結果が出ているとは必ずしも言い切れません。

あくまでも雇用統計の先行指標として扱われますが、相場へ与える影響は大きいものがあります。

雇用統計2営業日前の水曜日もしくは木曜日の日本時間21時15分(夏時間。冬時間は22時15分)に発表されますので、注目しましょう。

中古住宅販売件数

中古住宅販売件数は、アメリカの全米不動産協会(NAR:National Association of REALTORS)が毎月集計して発表する重要指標の1つです。

アメリカの不動産市場は新築住宅よりも中古住宅の方が規模は大きいため、景気動向に影響を与える住宅関連の先行指標として注目されています。

指標は所有権移転が完了した販売件数で、数値が大きいほど景気が良い、数値が小さいほど景気が悪い状況であると見ることが可能です。

毎月25日頃の日本時間23時(夏時間。冬時間は24時)に発表されます。

その他の経済指標一覧

主な重要経済指標について紹介しましたが、ここで紹介する経済指標も注目度が高いものばかりです。

重要経済指標に加え、これらの指標も把握しておけば、より精度が高く多角的な分析ができるようになります。

各経済指標の内容や重要度については次のとおりです。

指標名 説明 重要度
日銀金融政策決定会合 日本銀行の最高意思決定機関である政策委員会の会合のうち、金融政策を決めるもの 5
中古住宅販売保留 毎月10日に発表。
契約済みで所有権移転が未完了の指標。
中古住宅販売件数と同じくらい注目される
4
ISM製造業景況指数 毎月第1営業日に発表。
全米製造業350社に対してのアンケート調査をおこない景況感を表す指数。
景気の先行指標として重要視される
4
ISM非製造業景況指数 全米の非製造業375社に対してアンケート調査を実施。
在庫や雇用、受注、価格などの10項目から景況感を表す指標
4
耐久財受注 米国内製造業約4,000社が対象で機械設備投資の先行指標として注目される。新規受注・出荷・在庫・受注残高の4項目から構成 4
小売売上高 小売業やサービス業の売上高を集計したもので耐久財と非耐久財に分けて発表される指標。
景気回復の先行指標として注目される
4
英中銀政策金利 英中銀金融政策会合で決まる英国の政策金利。
毎月第1水曜・木曜に開催され会合後に政策金利が公表される
4
平均時給 雇用統計の中で非農業部門就業者数や失業率とともに注目される指標。
調査対象者の平均時給で数値が大きいほど景気が良いことを表す
4
豪中銀政策金利 オーストラリア準備銀行(RBA)の金融政策理事会で金融政策を決定し、年11回は発表される 4
生産者物価指数(PPI) 生産者が出荷する原材料や完成品などの価格変動を示す指標 3
貿易収支 輸出額から輸入額を差し引いたもの。
輸出が多ければ貿易黒字、輸入が多ければ貿易赤字となる。
経常収支の悪化度合いを判断できる指標
3
新築住宅販売件数 アメリカの商務省センサス局が全米および4つの地域別の新築住宅販売件数や販売価格、在庫状況などを調査したもの。
景気動向の重要指標として注目される
3
ZEW景況感指数 ドイツの景気動向を示す重要指標であり毎月発表される。
数値がプラスだと景気が良く、マイナスだと景気が悪いと判断
3
IFO景況感指数 ドイツの景気動向を示す重要指標であり毎月発表される。
1991年の景気を基準(100)として、それより良いか悪いかを示す指標
3
新規失業保険申請件数 アメリカの重要経済指標の1つ。
失業者が失業保険給付を申請した件数で景気先行指数として注目される。
労働省雇用統計局が集計して毎週発表
3

など、相場に影響力のある経済指標は他にも多くありますが、ここで紹介した基本的なものについては把握をしておきましょう。

特に各国中央銀行による政策金利発表や雇用統計、景況感指数は外せません。

要人の発言

要人の発言が為替相場にどれほど影響があるのか、数多くの要人がいる中でどのような人の発言に気をつけなければならないか、これらを知っておくことは非常に大事です。

事前に把握をしておけば、ファンダメンタルズ分析や投資判断がやりやすくなります。

ここでは、主な要人の発言の威力やマークしたい重要人と影響などについて紹介していますので、参考にしてください。

要人の発言の威力

経済指標の結果によって相場が大きく変動することも多いですが、要人の発言によって相場が激しく動くことも珍しくありません。

要人の発言で相場が大きく反応した事例は、数えだしたらキリがありませんが、過去に反応の大きかった発言をいくつか紹介しましょう。

ECB総裁による量的緩和を示唆する発言 2014年〜2015年でユーロが1.40から1近くまで大幅に下落
日銀総裁の「これ以上円安はない」発言 2014年に米ドル/円が一時125円台まで上昇するも発言により大幅下落
アメリカ財務長官の「弱いドルは我々にとってよいことだ」発言 発言後(2018年1月)1円程度下落
アメリカ大統領の「ドルは強くなる」発言 上記財務長官発言の翌日に発言があり下落がストップ
BOE総裁の利上げ観測後退を示唆する発言 それまで利上げへの期待感が強かったこともあり2018年5月にポンドが大幅下落

など、他にもたくさんの要人発言があります。

特に世界的な影響がある人といえばトランプ大統領です。

トランプ大統領がどのような発言をするかによって、各通貨の相場が大きく変動する可能性があります。

過去のトランプ大統領の発言とその後の相場変動を見れば影響力が大きいことがわかるはずです。

経済指標と同じくらい、要人発言には威力があります。

意識したい重要人と影響

以下は、アメリカ、欧州、オーストラリアなど、主な国の意識したい重要人と影響力です。

他にも影響力がある重要人はたくさんいますが、このような特に影響力が強い人は覚えておくようにしましょう。

ここで紹介する重要人は、他の国でも影響力があるポジションの人ばかりです。

主に、大統領・首相、中央銀行総裁の発言については気をつけるようにしましょう。

人物 重要度
アメリカ 大統領 5
FRB(米連邦準備制度理事会)議長、理事 4
連銀総裁 4
米通商代表 4
欧州 ECB(欧州中央銀行)総裁、理事 4
ドイツ 首相 5
フランス 首相 5
イギリス 首相 5
BOE(英中央銀行)総裁、理事 4
財務大臣 4
オーストラリア 首相 5
RBA(豪準備銀行)総裁、理事 4
財務大臣 4

また、大統領・首相などが通常時に発言する内容だけでなく、主要国首脳会議(G7)などの国際的な会議の中で発言される内容も大きく注目され、相場に影響を与えます。

経済指標の発表時のトレードって?

経済指標発表時のトレードは簡単そうに見えるかもしれませんが、奥が深いものです。

予想と結果だけを参考にして投資判断してしまうと、大損する可能性もあります。

ここでは、トレードタイミングの1つでもある経済指標発表時・発表後の狙い方について紹介していますので、参考にしてください。

ポジションを保有している場合

重要な経済指標発表時にポジションを保有している場合は、なるべく発表前に決済した方が安心です。

なぜなら、アメリカの雇用統計やFOMC政策金利発表などの重要経済指標は、わずかな時間の間に相場が大きく変動し、多くの含み損を抱える可能性があります。

経済指標発表時は、値動きが激しいので多くの利益を獲得できそうと考えてしまいがちですが、そう簡単ではありません。

経済指標の予想に対して結果が良かったとしても相場が下落する場合がありますし、結果が悪かったとしても高騰することもあります。

ハイリスク・ハイリターンにもなる経済指標発表時にはポジションを保有せず、リスク回避に徹した方が安心です。

発表前と言えども大きく値動きをして、ロスカットになる恐れもあります。

事前にポジションを決済して次の取引チャンスを狙いしましょう。

発表後のトレードは?

重要な経済指標は、発表前でも相場が大きく動く可能性がありますが、発表後はさらに値動きが激しいことが多いです。

そのため、FX初心者には経済指標発表直後のトレードはあまりおすすめできません。

特に注目度の高い経済指標であれば、発表直後に1円〜2円以上動くこともあります。

発表後、経済指標が予想より良かったからと買いポジションを持っても必ず上昇するとは限りません。

なぜなら、ヘッジファンドなどの大口投資家がすぐに利確や損切りをすることで相場が急落することもあります。

結果が良いことが既に織り込み済みのケース、経済指標よりも相場に影響力のある出来事が他にも起きている場合があるためです。

逆も然りで、予想より結果が悪かったとしても必ず下落するわけではありません。

相場が動いてすぐに利確・損切りがおこなわれることで相場が高騰する可能性もあります。

そのため、経済指標の結果や発表直後の動きを見てトレードするのは、なかなか難しいことです。

「予想より結果が良かったから上昇するだろう」「予想より悪い結果だったから相場は下がるだろう」と、安易な考えでトレードをしてしまうと痛い目に遭ってしまいます。

ただし、トレードができないわけではありません。

経済指標発表直後ではなく、発表して少し間を空ければ発表後のトレンドの方向性が掴みやすいです。

大きな利益は狙えなくなるかもしれませんが、トレンドが形成されていて安定的に稼げる可能性があります。

少し時間を置くことでリスクが緩和されるため、経済指標発表後にトレードする場合はすぐに反応するのではなく、様子見の時間を設けるようにしましょう。

まとめ

今回は、重要な経済指標や要人発言、経済指標発表時のトレード方法などについて紹介いたしました。

あらためて最後にここで紹介した大事なポイントをまとめると、次の4点が挙げられます。

  • 米雇用統計やFOMC金利政策発表など重要な経済指標は相場への影響力が大きい
  • FX初心者は経済指標発表時・発表後はできればポジションを持たない方が安全
  • 経済指標だけでなく大統領など要人の発言にも注意
  • 中長期トレードをする場合は経済指標等を基にしたファンダメンタルズ分析が効果的

経済指標は今後の相場動向を予測するうえで非常に重要なものです。

ぜひ、ここで紹介したことを参考にして、多角的に相場分析をし、トレードやリスクヘッジに活かしてください。

28 5月 2019

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