物価の上昇率の差によって決まる為替相場

「国力の強い国の通貨は買われ、国力の弱い国の通貨は売られる」
とても理に適った為替の考察のように聞こえます。また、ちょっと考えてみても、やはり理屈に合っているように思われるでしょう。実際にこのロジックで為替相場が解説されることもあるようです。

◆先入観を捨てて一から“国力とは何か?”について考えてみよう!
しかし、「国力が為替相場を決める」という論法は、まったく根拠に乏しいといえます。
1990年代以降、日本の経済はバブルの崩壊をきっかけにして長らく停滞してきました。1990年からの約20年間、そんな日本とアメリカとでは、後者のほうが国力が強かったであろうことは、誰の目にも明らかでしょう。

とすれば、「国力が強い国は通貨も強い」というのであれば、現在の米ドル円相場は、90年当時と比べると、米ドル高円安がいっそう進んでいることになります。

では実際どうかといえば、1990年1月のレートは1ドル=140円台でした。それから相場は円が弱くなるどころか円高が進みます。94年には1ドル=100円割れを起こし、95年4月19日、ドル円相場は、瞬間的ではありましたが、それまでの史上最高値79円75銭という異常事態を起こしました。その後は上昇下落を繰り返しながら110円台から140円程度で推移し、サブプライムローン問題が起きる前の2006年12月では、平均1ドル=117円となっています。

あきらかに国力が低下しているはずの日本ですが、過去20年間の為替相場を見ると、日本の円は主要国通貨の中で最も強かったのです。
反対に、世界的におそらく国力トップのアメリカの通貨=米ドルは、主要国通貨の中で最も弱い通貨の1つとなっています。

このように、国力が為替相場を決めるなどということは論拠に乏しどころか、まるで事実に反する考察といえます。

そもそも「国力」とは何を指すのでしょうか。

多くの方は経済力を思い浮かべるでしょう。その他にも国土、資源、人口、政治的発言力、軍事力――、またそれらすべてを総合した世界的影響力を「国力」と考えるのかもしれません。

いずれにしろ為替相場との相関を見る際は、「国力」という言葉の定義はあまりに曖昧です。

では、為替相場を決めるのはなんなのでしょう。
長期的には、物価の上昇率の差によって決まる部分が大きいようです。
物価の上昇率と為替相場の関係」については、別の項で詳しく解説したいと思います。

21 8月 2012

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